LAB LETTER
 ベンダーの選定について (2002年1月号)

前回まで、システム要件の決定について申し上げましたが、今回は業者の選定についてご案内します。

ベンダーといってもコンピュータシステムを稼動させるにはハードウエア、ソフトウエア、ネットワークそれぞれの専門分野があり、総合的なベンダー、専門的なベンダーと分けることができます。いずれにしても全体を統括することができる人材が必要となり、企業内部であればシステム担当者、外部であればコンサルタントが必要とされます。

ただしシステム担当者、コンサルタントは、ユーザーではありません。システムは稼動しなければ導入の意味はありませんので、ユーザーの意向にも気を配る必要があります。あるいはトップダウンで導入を進める場合には、ユーザーにはシステムを使うことを義務つけること、万一使わない場合は、それなりの評価をされるくらいの対応が必要です。

システム担当者、コンサルタントはトップ、ユーザーの意向をまとめ、ベンダーを選定する役割を担います。システム担当者は、コンピュータシステムの特性を理解していること、業務を理解していること、両方の知識と経験が必要となりますが、実際にはそのような人材は皆無といってよいほどです。もちろん自社のシステム、自社の業務を理解されている方はいらっしゃいますが、それには相当の年月が必要です。

コンピュータシステムの導入は企業にとって基幹となる事項ですが、上記のように関連する知識、経験が多くなかなか導入、推進しにくいものです。繰り返しとなりますがたたき台となる「システム要件」を作成することは非常に重要です。

いろいろな要因はありますが、ベンダーの選定が必要になります。まずはベンダー探しですが、

  1. 自社のシステム担当者に聞く。

  2. 関連会社、同業他社などに聞く。

  3. IT展示会、セミナーへ参加する。

  4. (会計システムなら)会計関連の雑誌、歳入局出版の雑誌などに掲載されている広告、記事を見る。

以上のような手段があります。インターネットで検索、一般の電話帳でも業種別に掲載されていますので、ベンダーを探すこと自体は簡単です。その中からベンダーを選択するわけですが、少なくともまずベンダーに期待することを予め決めておく必要はあります。システム要件を元に、業務フローの見直しを含めたシステム構築なのか、パッケージソフトウエアの調達か、あるいは自社用のプログラム開発か、あるいはネットワーク配線工事なのか、これは発注者が決めるべきことです。


ベンダー選択の要素として、

  1. 導入実績 (業種別、導入件数、稼動件数など)

  2. サポートの体制 (パッケージ販売のみ? Q&A対応? バグ対応? 追加機能の開発対応? ベンダーとのコミュニケーションの方法など)

  3. 価格 (機能別の価格、全体の価格、初期費用、導入後のサポート費用など)

以上のような事項が挙げられます。2番に「ベンダーとのコミュニケーションの方法」とありますが、これは連絡がすぐつくことは当たり前として、ベンダーが自社の業務に興味を持ち、理解しようとするのか、ベンダーのサポートポリシーに見るべきものがあるのかなど、実はこの点がシステム稼動前後に非常に影響を及ぼすところです。


ソフトウエアのライセンスについて】

昨年後半からソフトウエアのライセンスについて弊社へお問い合わせが増えています。特にマイクロソフト製品、CADソフトのライセンスについて違法コピー摘発を目指し、いろいろな形で企業へ案内が届いています。

マイクロソフトの製品に限って申し上げますと現在下記のような体系になっています。

  1. フルパッケージ (箱に入って店頭で販売されているパッケージ。登録者に使用許諾されます。)

  2. OEMライセンス (PC、ハードディスクなど購入時にプリインストールされているライセンスです。インストールされているPC、ハードディスクに使用許諾されていますので、PCを廃却する場合、他のPCへ譲渡することはできません。)

  3. オープンビジネスライセンス (店頭では販売されていません。企業名、団体名、個人名の登録者に使用許諾されます。各種のソフトウエアを組み合わせて最低5本以上まとまると購入可能です。5本以上になると1本ごとに追加できます。当地では日本語版、英語版、タイ語版、マルチランゲージ版があります。マルチランゲージ版はオープンビジネスライセンスのみ存在します。)

価格的にはオープンビジネスライセンスがフルパッケージより安く設定されています。パソコンを買ったお店がサービスでソフトウエアをインストールしてくれた、知らない間にスタッフがインストールしていたということがあるかもしれません。サーバーを使用している場合、端末(クライアント)PCには、クライアントアクセスライセンス(CAL)という端末用のライセンスも必要となります。一度現状のライセンス取得状況をご確認されることをお勧め申し上げます。